祈りと怪物-ウィルヴィルの三姉妹-Ninagawaバージョン

ケラリーノ・サンドロヴィッチVS蜷川幸雄の演出バトル企画
『祈りと怪物~ウィルヴィルの三姉妹~(蜷川 ver.)』を
観て来ました。

ケラさんバージョンをほどよく忘れたところで観たつもりだったのですが
まあ、同じセリフ言ってても演出家が変わると、こうも違う舞台が
出来上がるものなのだなと感心しきり。

蜷川さんバージョンは『ザ・ニナガワ』の世界の中に
ビシビシとケラさんを意識しているのも分かり、
でも「それが楽しい」って気持ちも伝わってきて
面白かったです。



細かい感想はまた後日。



はあ、やっぱり舞台って面白い。




祈りと怪物ninagawa





感想をもう少し追加。




祈りと怪物~ウィルヴィルの三姉妹~ 
Ninagawa Version


2013.2.16  13:00開演
シアターBRAVA!







上演時間が4時間20分。


休憩が15分になってて助かった!


チケット取れた当初は「マチソワいっちゃう?」と思いもしましたが
取らなくてよかったなと名古屋帰ってきたら、思いのほか
ぐったりしちゃってて。まあ、蜷川さんのは“重く”くるだろうなあと
思っていたので想定内ってことで。いっやあ、『ザ・ニナガワ』でした。


どうしても先月観たものと比べてしまうのですが
ケラさん版に比べて、蜷川さんは渡された脚本100%で
作ってきた感じかなあと。
とにかく場面転換が多いわ、飛ぶわで、どうやってそこを表現するかが
演出家の腕の見せ所なんじゃないかってくらいの舞台なんですが、
ケラさんはマンガのコマ割りのようにタテヨコにセット積んできた印象に対して
蜷川さんはセットを組むことはなるべく取っ払って、その分字幕で
場面を明確に説明してくれるという手法。
ちなみにコロス(合唱隊)の歌詞も字幕でフォローアップしてくれていて。
このコロス、ケラさんは正攻法で来たのに対し、蜷川さんはなんとラップ。
ビックリした。
ビックリはしたけど。
申し訳ない、私はノりきれませんでした…。
ケラ版の、あの、ここから先どんどん不穏なものに侵されていくんだろうなっていう
不気味さが好きだったというのもあったからなんでしょうけども。
見終えてみれば、観易いというか分かりやすい舞台だったのは
蜷川さんの方だったかなあ。
ケラさん版を観た時、なぜこの舞台に「祈りと怪物」という題に
したのか分からなかったのですが、蜷川さんのはちゃんと分かったんですよね。
(あくまでも“感じ”ですが…)
土砂降りの中、あのセリフ吐く勝村ガラスは本当に凄かったです。

あと“分かりやすい”とは異なるけど、パキテオの“まじない”に
かかったアリストとメメの夫妻の見た“蝶”の幻想。
あそこは断然蜷川さんのは良かった。
ケラさんの映像処理より、あのリアルにひらひらふわふわ無数に飛び交う蝶が
綺麗で幻想的であるほど、結末をもう知っちゃってるから本当に
悲しくて涙が出そうでした。

でもやっぱり、私の嗜好的に好きなのはケラさん版でした。
ケラさんの方は、やっぱりご自分で本を書いているからなのか
「ウィルヴィル」という世界観がとても一体感があって
「ブラックファンタジー」というのがとても的を得てる舞台だったなあと。
セリフが後々の事柄とリンクしていたりするのも面白かったし。
“カメレオン”とか蜷川さんの見ながら「おお、ケラさんのアレはここに
繋がってた!?」とか思ったら、もう感心。
あと同じセリフを言っているのに、ケラさんのは良く笑ったのに対し
蜷川さんのはほぼ笑い無し。
唯一笑ったのはヤルゲンが出ていくと言った場面の
ヤルゲン、ガラスと三姉妹のやりとりくらいかな。
ほんと演出家が変わると、こうも舞台の雰囲気全てが
変わるもんなんですねえ。演出って偉大。

配役的に印象的だったのはやっぱりドン・ガラス役の勝村政信さん。
ケラさん版は生瀬勝久さんだったわけですが。
生瀬さんのは「憎まれっ子世にはばかる」そのものだったのが
勝村さんはエイモス家の宿命を背負った悲哀がにじんでいる感じがして
本当にこのお二人は甲乙つけがたかったです。

そしてケラさん版は主役はドン・ガラスだったのに対して
蜷川さん版はトビーアスの森田剛くん。
ケラさん版にはなかった長台詞。
あの独白でトビーアスという人物が一気に転換する感じが
凄かった。さすがです、森田さん。
唯一無二の親友のトビーアスとパブロ。
パブロがどんどん普通(正常)の青年になっていくにつれ、
一方でトビーアスが破綻していく感じとか、もう感服でした。


でも。
やっぱりこの舞台の主役はドン・ガラスだと思う。

というのが正直なとこでもあります。


ガラスとトビーアスの関係は蜷川さん版の方が繋がりが
強かった印象。
普通に“目をかけている”レベルではなくて、本当に“息子”とか“跡継ぎ”として
考えてるんだろうなってくらい親密な惹かれ合いをする感じだったなあと。
実際血が繋がっているというのを思い出させるんですよね、この二人見ていると。
それがまた、3姉妹で一番ガラスと似ている3女のマチケと惹かれあうってのが
面白かったなあ。
そして本当の親子であるヤン(染谷将太)には全然それが無いというのが
また面白いところでした。




とにもかくにも本当に双方すごく力がある舞台で面白かったです。
「演劇ってすっごい面白い!」って心底思えました。
本当に両方観れて良かったなあ。





来週はいよいよ新感線。
この鬱屈した気持ちをカラっと晴らしてくるぞう!

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